「だん」のかいたい |
「壇」の解体 |
冒頭文
文壇、画壇、楽壇、歌壇、俳壇、乃至学壇、評壇等々、それはそれぞれ犯すべからざる神聖なるにわである。空間的な特殊ななわ張りである。その中に置かれることで、或種の安心と尊敬をむさぼることの出来る一つの聖域である。人々はその中に祭られんことをのみ希っている。 又別の考え方より見れば、動物が自らを保護せんために群れをなし、群れの一部分となることで或種の安心をもつこと、これが人間それ自身を他の動物
文字遣い
新字新仮名
初出
「大阪朝日新聞」1932(昭和7)年1月19日~22日
底本
- 増補 美学的空間
- 叢書名著の復興14、新泉社
- 1977(昭和52)年11月16日