しきさいえいがのシナリオ
色彩映画のシナリオ

冒頭文

私はフィルムが色彩を駆使するにあたって、それを「天然色映画」と名づけているのに、反対である。すでに映画が芸術であるかぎり、映画は、必ずしも天然の色と称するもののみに似ることをのみ標準とする名前をつける必要はないのである。 それは、むしろ簡単に「色彩映画」とよばれるべきであり、シナリオ・ライターは、そのシナリオで作者の意図にしたがって、おちついたソフト・トーンの色、またはコントラストの強い

文字遣い

新字新仮名

初出

「シナリオ」1951(昭和26)年4月号

底本

  • 中井正一全集 第三巻 現代芸術の空間
  • 美術出版社
  • 1981(昭和56)年5月25日