げいじゅつざの『ぐんじんらいさん』
芸術座の『軍人礼讃』

冒頭文

脚本について—— 同じショウのものでも、『ウォレン夫人の職業』と『アンドロクレスと獅子』との間には、殆ど一人の作家だけの距りがある。 然し乍ら、その距りはショウが写実主義を作品の根柢に置くか、或はファンテジイを作の基調とするかによつて自ら生ずる二つの傾向であると云へる。 そこで此の『軍人礼讃』であるが、これは写実主義の手法と、作者のファンテジイとが相半ばして、いづれを

文字遣い

新字旧仮名

初出

「演劇新潮 第一年第五号」1924(大正13)年5月1日

底本

  • 岸田國士全集19
  • 岩波書店
  • 1989(平成元)年12月8日