えんげきまんわ |
演劇漫話 |
冒頭文
一、新劇と旧劇 現今、芝居好きと称する人のうちで、旧劇はつまらないと云つて見に行かない人もあるでせう。しかし、それは極少数の「新しがり」に限られてゐると云つてよろしい。之に反して、新劇は見るに堪へないと公言して憚らない人のうちには、相当、見識のある芸術愛好者が、可なり多くあることは事実です。 旧劇は一概につまらないと云ふ側の人々は、旧劇には優れた文学が無いからといふ理由を挙げるでせ
文字遣い
新字旧仮名
初出
「都新聞」1926(大正15)年8月17日~26日
底本
- 岸田國士全集20
- 岩波書店
- 1990(平成2)年3月8日