ジヨルジュ・クウルトリイヌについて
ジヨルジュ・クウルトリイヌに就いて

冒頭文

劇作家としてのクウルトリイヌは、既にその仕事ををはつてゐるやうに思はれる。しかしながら今日までに彼がなし遂げた業績は、仏蘭西戯曲史上重要な頁を占めるべきものであらう。 一千八百六十年六月二十五日、仏国中部の古都ツウルに生れ、モオの高等学校で普通学を修めた。父親は、名をジュウル、姓をムアノオと称してゐたのであるから、彼も亦ジョルジユ・ムアノオといふ本名があるに違ひない。彼が青年時代を如何に

文字遣い

新字旧仮名

初出

「近代劇全集第十七巻」第一書房、1928(昭和3)年1月10日

底本

  • 岸田國士全集20
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年3月8日