「もんてーにゅずいそうろく」(せきねひでおくんやく) |
「モンテーニュ随想録」(関根秀雄君訳) |
冒頭文
私は本年度文芸懇話会賞候補作品として、関根秀雄訳「モンテーニュ随想録」を推薦したものの一人である。 同じく本書を推薦した他の会員諸氏は、何れもそれぞれの理由をもつてゐる筈だが、私は特に委員会の指命に従つて、自分一個の推薦理由を公表することにする。 一、文芸懇話会賞は翻訳にも与へ得る規定がある以上、毎年といふわけには行くまいが、特に翻訳文学史上劃期的な収穫と見るべきものには、
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文芸懇話会 第一巻第七号」1936(昭和11)年7月1日
底本
- 岸田國士全集23
- 岩波書店
- 1990(平成2)年12月7日