ひひょうか・さっか・げきじょうじん |
批評家・作家・劇場人 |
冒頭文
最後の締めくくりをする順番だが、以上、小林、真船、千田三氏の文章を読み了つて、先づ第一に感じたことは、僕自身のなかにある三つの傾向が、はつきり分裂して、次ぎ次ぎに「走り」出した姿に似てゐるといふことであつた。 ところが、これはなにも、僕に限らず、誰でも、創造のよろこびをよろこびとする芸術家として、一旦演劇といふ迷宮に入る以上、この三つの傾向が時により、場所に応じて頭をもたげて来るのではな
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文学界 第三巻第十号」1936(昭和11)年10月1日
底本
- 岸田國士全集23
- 岩波書店
- 1990(平成2)年12月7日