かんりつえんげきがっこうのていしょう |
官立演劇映画学校の提唱 |
冒頭文
演劇と映画とは元来なら別々に論ぜられなければならぬ要素をそれぞれにもつてゐるのであるが、現在の日本では、この二つの部門が、その芸術的水準と文化的役割とに於いて、寧ろより多く共通な問題を含んでゐることを見逃してはならぬと思ふ。つまり、現代の日本演劇に最も欠けたものがあるとすれば、それは今日の日本映画に於いても同様に最も欠けたものなのである。 しかも、それは、専門批評家のみならず、一般国民が
文字遣い
新字旧仮名
初出
「東京朝日新聞」1936(昭和11)年12月8~11日
底本
- 岸田國士全集23
- 岩波書店
- 1990(平成2)年12月7日