えんげき・ほうりつ・ぶんか
演劇・法律・文化

冒頭文

芸術家擁護の現行法 「芸術」と「法律」とはそんなに縁の遠いものではないといふことを、私は近頃いろいろな機会に感じるのであるが、この両者の接近が、どうかすると、一国の精神文化の水準を示してゐるのではないかとさへ思はれることがある。 これは決して、芸術家にも法律の知識が必要であるとか、法律家も芸術に対するひと通りの鑑賞眼を具へてゐてもよからうとかいふやうな問題ではなく、一国一時代の民族的活動が

文字遣い

新字旧仮名

初出

「東京朝日新聞」1934(昭和9)年3月14、15、16、17日

底本

  • 岸田國士全集22
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年10月8日