ラジオ・ドラマせんじゃのことば
ラヂオ・ドラマ選者の言葉

冒頭文

ラヂオ文学といふ新しい様式について、私は常に興味をもち、なにか原理的なものを発見しようと心掛けてゐるのだが、放送局との関係も、別にそのために特殊な便宜を与へられてゐるわけではないから、なかなか思ふやうに研究もできないでゐる。 今日まで、ラヂオ・ドラマと称せられてゐる一種の形式も、自分だけの頭では、いろいろな空想が結びついてゐるが、それを実際に試みてみる機会さへ容易に得られないのである。

文字遣い

新字旧仮名

初出

「放送 第四巻第七号」1934(昭和9)年4月1日

底本

  • 岸田國士全集22
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年10月8日