ぎきょくしゅう『からす』のいんしょう |
戯曲集『鴉』の印象 |
冒頭文
関口次郎君の第二戯曲集が出た。 目次に関係なく、作品の出来栄えから、と云ふよりも、寧ろ、僕の好みから本書に収められた九篇の戯曲に等級をつけるとすれば、先づ左の如くであらう。 秋の終り 女優宣伝業 鴉 乞食と夢 勝者被勝者 真夜中 彼等の平和 夜 女と男 此の等級のつけ方に、作者は或は不服かも知れぬが、それはそれでいゝのだ。僕は、関口君の特質が最も高
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文芸春秋 第六年第二号」1928(昭和3)年2月1日
底本
- 岸田國士全集21
- 岩波書店
- 1990(平成2)年7月9日