いだいなるきんだいげぎじょうじん
偉大なる近代劇場人

冒頭文

小山内薫氏の業蹟について、最も理解あり、同時に、最も詳細な批評を下し得る人は、他に多くあるだらうと思ひます。それは、凡そ今日、演劇殊に新劇方面で仕事をしつゝある人々の大部は、何等かの意味で、同氏と親しい交渉をもつて居るからです。 私は、不幸にして、同じ劇壇に身を置いてからも同氏とは最も遠い立場に居た関係上、その赫々たる名声を通じて、氏一流の眼まぐるしい活動の一場を窺ひ得たのみで、こゝで語

文字遣い

新字旧仮名

初出

「時事新報」1928(昭和3)年12月28日

底本

  • 岸田國士全集21
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年7月9日