としぶんかのきき |
都市文化の危機 |
冒頭文
一 都市は元来、その規模の大小にかゝはらず、政治、経済の中央集権的な機構が作りだした、高度技術生活の凝結体である。 従つて、都市を形作る要素は、それ自体技術文化と緊密に結びついてゐるのだから、民族として発展した基本社会のうちにあつて、おのづから、頭脳的な地位を占めるものである。 こゝから、首府が地方に対し、都邑が農山漁村などに対して、支配的となり、指導的となり、強圧的とな
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文芸春秋 第十八巻第十三号」1940(昭和15)年10月1日
底本
- 岸田國士全集25
- 岩波書店
- 1991(平成3)年8月8日