「まんしゅうこくかくみんぞくそうさくせんしゅう」せんじゃのことば |
「満洲国各民族創作選集」選者のことば |
冒頭文
満洲に文学が生れようとしてゐる。多くは満洲の文学を生まうとする人たちの手によつてである。 私は先年満洲のところどころを歩いて、そこで新しい国が興り、いくつかの民族のまつたく異つた伝統と生活のうちから、どこでも万人共通の歴史がすでに呼吸しはじめてゐるのを感じ、これがやがて民族の特殊性を超えたのつぴきならぬ国民的意識を形づくつて行つたならば、非常に多彩な、前例のない精神の一典型を示すに至るで
文字遣い
新字旧仮名
初出
「創元 第三巻第三号」1942(昭和17)年4月10日
底本
- 岸田國士全集25
- 岩波書店
- 1991(平成3)年8月8日