えんげきとせいじ |
演劇と政治 |
冒頭文
一 二つの角度 「演劇と政治」といふ題目を与へられたが、私は「演劇」について語り得るほど「政治」について語ることはできない。自然、この一文は、演劇と政治との関係を、「政治」の側からでなく、「演劇」の立場から述べることになると思ふ。 しかし、「政治」なるものの概念が、近頃では少しづつ「わが国のかくあるべき政治」の概念に引戻されて来たやうであるし、さうなれば、政治技術の面ではともかく、常識とし
文字遣い
新字旧仮名
初出
「演劇と文化(『演劇論』第四巻)」河出書房、1942(昭和17)年11月20日
底本
- 岸田國士全集26
- 岩波書店
- 1991(平成3)年10月8日