しゅうう(ひとまく)
驟雨(一幕)

冒頭文

人物 朋子 譲 恒子 家政婦 時  六月の午後 所  洋風の客間を兼ねた書斎 朋子が割烹着を脱ぎながら、慌ただしくはひつて来る。その後から、家政婦が、何か云ひたさうにしてついて来る。 朋子  さうよ、あれはあれでいゝの。(割烹着を家政婦に渡し、机の前に坐る)あと、ハンケチだけでせう。暇を見て、しといて頂戴。こがさないやうにね。あゝ、そ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「文芸春秋 第四年第十一号」1926(大正15)年11月1日

底本

  • 岸田國士全集2
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年2月8日