大里貢 同 牧子 高尾より江 西原敏夫 東京近郊である。 一月中旬の午後五時—— 第一場 大里貢の家の応接間——石油ストーブ——くすんだ色の壁紙——線の硬い家具——正面の広い硝子戸を透して、温室、グリーン・ハウス、フレム及び花壇の一部が見える。 硝子戸に近く、高尾より江——二十五六歳に見える——が、ぢつと外を眺めてゐる。さつぱりした洋装。