ラジオ・ドラマしけん
ラジオ・ドラマ私見

冒頭文

ラジオ文学という新しい様式について、私は常に興味をもち、なにか、原理的なものを発見しようと心掛けているのだが、放送局との関係も、別にそのために特殊な便宜を与えられているわけではないから、なかなか思うように研究もできないでいる。 今日まで、ラジオ・ドラマと称せられている一種の形式も、自分だけの頭では、いろいろな空想と結びつけているが、それを実際に試みてみる機会さえ容易に得られないのである。

文字遣い

新字新仮名

初出

「ラジオ・ドラマ講座第二巻」山根書店、1952(昭和27)年4月30日

底本

  • 岸田國士全集28
  • 岩波書店
  • 1992(平成4)年6月17日