「はやみじょじゅく」について ――えんしゅつおぼえがき――
「速水女塾」について ――演出覚え書――

冒頭文

「速水女塾」は昭和二十三年の作である。私として戦後はじめての戯曲だけれども、それ以前約十年一日、いろいろな事情で、つい戯曲から遠ざかつてゐた。 そのせゐか、中央公論へ原稿を渡してしまつたら、あすこもここもと急に手を入れたくなり、いろいろ書き足したもので発表したい気持だつたが、発行日の都合でその希望は達せられず、やむなく旧稿のまま公表してしまひ、幸ひ追つかけて出版された単刊本を決定稿とすること

文字遣い

新字旧仮名

初出

「新選現代戯曲第一巻」河出書房、1953(昭和28)年4月10日

底本

  • 岸田國士全集28
  • 岩波書店
  • 1992(平成4)年6月17日