しんげきとむすめきょうこ
新劇と娘今日子

冒頭文

一 劇団文学座に籍はおいてゐるが、新劇女優の卵にすぎない次女今日子のことをなにか書けといふ註文である。 私は元来自分自身について語る趣味をまったくもたないから、たとへどのやうな立場にせよ、娘について語ることも、あまり気が進まない。 しかし、考へてみると、本誌の編集者がとくに私にさういふ文章を書かせようとする意図もわからなくはない。 また、私が今日まで周囲のだ

文字遣い

新字旧仮名

初出

「婦人公論 第三十七巻第十一号」1953(昭和28)年10月1日

底本

  • 岸田國士全集28
  • 岩波書店
  • 1992(平成4)年6月17日