「しんにほんぶんがくぜんしゅうだいさんしゅう・きしだくにおしゅう」あとがき
「新日本文学全集第三集・岸田國士集」あとがき

冒頭文

私は最初戯曲家として出発し、今でもその方が専門のつもりでゐるが、戯曲を書きつづけるためには、なにかしらもつと刺激がいるといふ気がする。芝居そのものに興味がもてるやうな状態でなければ駄目である。 そこへいくと、小説の方は、少くとも新聞雑誌の長篇小説といふものは、引受けたら最後、責任を果すまでは、ある軌道に乗せられて、目に見えない力と取つ組みあつて行かねばならぬ。途中で息が切れさうになること

文字遣い

新字旧仮名

初出

「新日本文学全集第三巻・岸田國士集」改造社、1940(昭和15)年7月20日

底本

  • 岸田國士全集28
  • 岩波書店
  • 1992(平成4)年6月17日