「ふうぞくじひょう」あとがき |
「風俗時評」あとがき |
冒頭文
旧作のなかからいくつかの戯曲を選んで一冊に纏めたわけだが、特に発行所の希望をも容れて、比較的長いものの大部分が収まることになつた。長いから力作だとも云へまいが、かうしてみると、なるほどそれぞれの時代に於ける紀念作といふやうなものばかりである。 「牛山ホテル」は、昭和三年の秋に、ふと、当り前の戯曲を書いてみようと思ひ、それまではわざと避けてゐた「筋」を織り込み、自分の経験と現実の印象を基礎とし
文字遣い
新字旧仮名
初出
「風俗時評 現代文学選第二十五」鎌倉文庫、1947(昭和22)年2月10日
底本
- 岸田國士全集28
- 岩波書店
- 1992(平成4)年6月17日