「げんだいえんげきろん・ぞうほばん」あとがき |
| 「現代演劇論・増補版」あとがき |
冒頭文
ふたゝび私のために開かれた演劇の門は、やはり私にとつてなつかしいふるさとである。 そこでは、かつて私の友であり、仲間であつた多くの作家、俳優、演出家、舞台監督、舞台美術家などが、それぞれ困難な時代の試練に堪へて、注目すべき業績をすでに残してゐる。そして、また、そこからは、新しい才能の芽が、僅かではあるが、健やかに伸び育つてゐるやうに思はれる。 この当然の事実が、私に希望と勇気と
文字遣い
新字旧仮名
初出
「現代演劇論・増補版」白水社、1950（昭和25）年11月25日
底本
- 岸田國士全集28
- 岩波書店
- 1992（平成4）年6月17日