「ふるいがんぐ」あとがき |
「古い玩具」あとがき |
冒頭文
『古い玩具』は、一九二三年、パリの旅舎で書いた私の最初の戯曲である。私が戯曲を書くことを思ひ立つたのは、当時、親しくその劇団に出入してゐたピトエフ夫妻のすゝめによつて、自分で同劇団のために脚本を書くことを試みたのである。題を『黄色い微笑』として、それを仏文で書いてピトエフ夫妻に示した。戯曲を夫妻に手渡すと同時に、私は、突然肺患の再発のためにパリを去つて、ピレネ山中のポオに転地しなければならなかつた
文字遣い
新字旧仮名
初出
「古い玩具」岩波文庫、岩波書店、1952(昭和27)年6月25日
底本
- 岸田國士全集28
- 岩波書店
- 1992(平成4)年6月17日