沢 一寿 悦子 その長女 愛子 その次女 奥井らく 家政婦 桃枝 その子 神谷則武 輸入商 田所理吉 船員、悦子等の亡兄の友人 東京——昭和年代 一 某カトリツク療養院の事務長、元副領事、沢一寿(五十五歳)の住居。郊外の安手な木造洋館で、舞台は白ペンキ塗のバルコニイを前にした、八畳の応接間兼食堂。 古ぼけた、しかし落つきのある家