ねこのこうこくぶん
猫の広告文

冒頭文

吾輩は猫である。名前はまだない。主人は教師である。迷亭は美学者、寒月は理学者、いづれも当代の変人、太平の逸民である。吾輩は幸にして此諸先生の知遇を辱(かたじけの)ふするを得てこゝに其平生を読者に紹介するの光栄を有するのである。……吾輩は又猫相応の敬意を以て金田令夫人の鼻の高さを読者に報道し得るを一生の面目と思ふのである。…… 辱(〔かたじけの〕)

文字遣い

新字旧仮名

初出

「東京朝日新聞」1905(明治38)年11月15日

底本

  • 漱石全集 第十六巻
  • 岩波書店
  • 1995(平成7)年4月19日