さつきばれ
五月晴れ

冒頭文

大庭悠吉  三十一 同 空子  二十三 女中かな  二十 児玉的外  五十六 同 初男  十 新聞配達  二十一 五月末の日曜日昼近く 東京郊外のどんづまり 大庭悠吉の住居——新しい文化住宅 舞台正面は座敷の縁、二階から突き出た露台(バルコニー)。庭を距てゝ狭い道路 右手、庭の一隅に物置、その前を通つて勝手口へ廻れるやうになつてゐる。 女中のかなが、座

文字遣い

新字旧仮名

初出

「週刊朝日 第二十三巻第二十六号(初夏特別号)」1933(昭和8)年6月1日

底本

  • 岸田國士全集6
  • 岩波書店
  • 1991(平成3)年5月10日