人物 夫 渋谷八十一 妻 詩人 鳥羽 妻の母 君い女 かも子 夫の友人 茶木 八百や 第一場 舞台は、すべて戸締りをした家の内部。正面やゝ高きところに鉄格子をはめたスリ硝子(ガラス)の小窓。外の光がその小窓から射し込んで、茶の間の一部をかすかに浮き出させてゐる。 表で戸をたゝく音。 声 留守ですか、僕です。おい、僕ですよ、