ようきょくしまいなど ――ぶんてんにしゅっぴんするしまいずについて――
謡曲仕舞など ――文展に出品する仕舞図について――

冒頭文

○ 伊勢の白子浜に鼓(つづみ)が浦(うら)という漁村があって、去年からそこに一軒の家を借りまして、夏じゅうだけ避暑といってもよし、海気に親しむといってもよし、家族づれで出かけていって、新鮮な空気と、清涼な海水に触れてくることにしています。 ことしも松篁(しょうこう)夫婦に子供づれで出かけましたが、この漁村にも近年ぼつぼつ避暑客が押しかけてきて賑やかになるにつれて、洋風の家なども眼に

文字遣い

新字新仮名

初出

「大毎美術 第十五巻第九号」1936(昭和11)年9月

底本

  • 青眉抄・青眉抄拾遺
  • 講談社
  • 1976(昭和51)年11月10日