しぶとしょかんさんしゅうねんによせて
支部図書館三周年に寄せて

冒頭文

三年前、第一回の支部図書館準備会の会合に出席した人々の何人が、この三年目の今日、かかるかたちで三周年を迎えることができると想像しえたであろう。「大陸の法律をやっている私たちには、かかる機構は考えにくいのだ」と、わが館の牧野英一専門調査員がその席上で独語しておられたくらいであるから、大半は、その前途に半信半疑であった。 あわやというような瞬間が、第一回の会合ではあったのであった。私は憮然と

文字遣い

新字新仮名

初出

「びぶろす」1951(昭和26)年11月号

底本

  • 中井正一全集 第四巻 文化と集団の論理
  • 美術出版社
  • 1981(昭和56)年5月25日