おびのはばがひろすぎる
帯の巾が広すぎる

冒頭文

只今では帯といっておりますが、慶長時代では巻物と申しておったようでございます。絹羽二重は二つ割りにして、又支那から渡来いたしました繻珍(しゅちん)だの緞子(どんす)などと申しますものは、三つ割りに致して用いておりました。その後鯨帯と申しますものが出来、これが変化して今日の帯となったのでございます。確かなことは申せませんが、享保年間の帯巾は五、六寸位であったと思います。そして元禄時代の振袖は一尺七、

文字遣い

新字新仮名

初出

「京都日出新聞」1931(昭和6)年3月14日

底本

  • 青帛の仙女
  • 同朋舎出版
  • 1996(平成8)年4月5日