ぶらんこ(ひとまく) |
ぶらんこ(一幕) |
冒頭文
夫 妻 夫の同僚 茶の間 朝 妻 (チヤブ台の上に食器を並べながら)あなた、さ、もう起きて下さい。 夫 (奥より)起きてるよ。一体何時だい。 妻 毎朝、わかつてるぢやありませんか。 夫 そんな時間か。 妻 いやね、どんな時間だと思つてらつしやるの。 夫 (跳ね起きるらしく)さうか。(間)カマキリは、まだ来ないだらう。 妻 (あたりに気を兼ね)およしなさい
文字遣い
新字旧仮名
初出
「演劇新潮 第二年第三号」1925(大正14)年4月1日
底本
- 岸田國士全集1
- 岩波書店
- 1989(平成元)年11月8日