有田浩三 妻 倉子 書生水垣 小間使銀 下働 滝 水垣の友竹中 一 有田浩三の書斎。朝。 浩三 (読んでゐる新聞から目を放さずに、はひつて来た妻に向ひ)おはやう。昨夜はよく眠つたかい。何か寝言を云つてたね。 倉子 (夫の手から新聞を取り上げ)これ、もう御覧になつたんでせう。ええ、よく眠ましたわ。寝言なんか云つて、あたくし? 浩三 お