どういんそうわ(ふたまく)
動員挿話(二幕)

冒頭文

人物 宇治少佐 従卒太田 馬丁友吉 少佐夫人鈴子 友吉妻数代 女中よし 時  明治三十七年の夏 所  東京 第一幕 宇治少佐の居間——夕刻 従卒太田(騎兵一等卒)が軍用鞄の整理をしてゐる。 鈴子夫人が現れる。 夫人  さ、此の毛糸のチヨツキをどこかへ入れといて頂戴。——あとから送つてもいゝけれど、どさくさ紛れに失くな

文字遣い

新字旧仮名

初出

「演劇芸術 第一巻第五号」1927(昭和2)年9月1日

底本

  • 岸田國士全集3
  • 岩波書店
  • 1990(平成2)年5月8日