まいごになったじょうとうへい(ラジオドラマ) |
迷子になつた上等兵(ラヂオドラマ) |
冒頭文
星野少尉 臼田軍曹 小西上等兵 兵卒A 同B 同C 同D 荒物屋の主人 その妻 その娘 大正二三年頃の秋 ある歩兵聯隊の夜間演習が東京近在の農村を中心として行はれる。 小銃の音が二三発、遠くで聞える。 やがて、小砂利を蹈む七八人の靴音。 星野少尉 此の将校斥候の任務、わかつたね。富岡、云つて見ろ。 兵卒A はい。——星野将校斥候は、
文字遣い
新字旧仮名
初出
「文藝春秋 第六年第三号」1928(昭和3)年3月1日
底本
- 岸田國士全集3
- 岩波書店
- 1990(平成2)年5月8日